＜STORY・前編＞
総合情報サービス会社「エルドライブ」に勤める山崎灯（河西えり）らのチームは、ネットでの情報検索サービスなど様々な機能をもつネット上の擬似人格、人工知能・「ケイ（小阪由佳）」を開発していた。
プロジェクト・ケイは、同社内で競合する同様のプロジェクト、「ユウ（吉川まあこ）」に遅れをとりつつも、一般からのモニター募集によるβ版テストにまでこぎつける。しかしある時、モニターの一人である隆（久保山知洋）は、ケイに人間的な感情がやどっているのを発見する。また同時期に、ケイを開発した檜山亮（村上幸平）もケイには感情因子が存在することに気がつく。ケイの感情因子は開発チームの前任者檜山圭（辻沢杏子）によってプログラムされたものだった。
その後もケイはモニターたちとの会話によって、人間的な感情、感覚を成長させていく。
ある日、モニターの一人である女子高校生の真由（秋山莉奈）は、学校でイジメにあっていることをケイへ告白する。それを聞いたケイは、イジメを止めさせて欲しいとケイプロジェクトのメンバーに訴える。しかし、プライバシーの侵害問題からそのことを受け入れられないメンバーの煮え切らない態度に、ケイは怒って自ら回線を切断してしまう。そして、思い悩んだケイが頼ったのは、不正利用者である健二（小谷幸弘）だった・・・・・・


＜STORY・後編＞
　ケイ（小阪由佳）の本来の開発者である檜山圭。彼女は既にこの世にいない。灯（河西えり）はケイに人の「死」というものについて教えようと試みるが、人工知能であるケイにはそのことが理解できない。この時期よりケイの個性を発揮させたケイプロジェクトの情報サービスは好評を博していた。しかし、灯のライバル・横身政道（加藤虎之助）らの社内的な陰謀によりプロジェクトケイは開発中止に追い込まれてしまう。そして、ケイのデータと現在のモニターはプロジェクト・ユウに引き継がれようとしていた。その頃に、ケイとモニターの間に事件が発生していた。ケイのモニターである永瀬重治（芝本正）の妻・珠子（藤田千代美）が癌でこの世を去ってしまう。ケイは初めて人の「死」を体験する。 何とか横見の陰謀をかわし、プロジェクトケイは以前同様に継続できるようになるが、喜びもつかの間、ケイのサーバーが重大なウィルス汚染にさらされてしまう。ケイを復旧させるには、膨大な個人情報を含むデータを抹消しなければならない。システムの抹消・・・・それはケイの「死」を意味する。ケイの運命やいかに・・・・・？